~認定審査委員会より~
JSMNCの皆様からコメントを頂き、掲載しています。JSMNCとしての活動への抱負や、
いきいきとした活動内容をご覧いただき、日々の看護実践の参考にしていただけたら幸いです。
活動内容報告
当院は急性期医療を提供してきましたが、平成26年からは地域医療機能の推進のため、急性期病棟から地域包括ケア病棟と連携を図り、地域で暮らす人々を支える役割を担っています。その中で、整形外科の患者さんを中心に、皮膚科、歯科口腔外科、麻酔科の混合病棟で勤務をしながら、昨年JSMNCを取得して7月より退院支援専任看護師をしています。JSMNCを目指したのは、高齢者の退院後の転倒予防、QOLの低下を防ぐために看護師として何かできることはないだろうかと考えたのがきっかけでした。
現在は入院したらできるだけ早く、自宅に退院できるように医師、看護師、PT、MSW、薬剤師、栄養士との多職種合同カンファレンスの中で、患者さんの一番身近な立場からADLを拡大するために、あるいは自宅退院が困難と思われる要因について話し合って、看護計画に組み込むようにしています。例えば、化膿性脊椎炎で膀胱直腸障害のある患者さんが、見守りのもと自分でトイレ動作を習得するために、上肢のリハビリ、運動、握力チェックや、患者さんとPTと一緒にトイレ動作を考えたりしています。
また脊椎の術後、右橈骨遠位端骨折でシーネを使用している患者さんにおいて、セルフケア習得のためのカンファレンスを通じて、患者さんが意欲を失わず、さらに気持ちが前向きになるような声かけを考えています。
学会認定運動器看護師としての抱負
現在は高齢で、独居の患者さんも多く、安心して退院後も生活できるように、地域のケアマネージャー、ヘルパー、訪問看護師との連携も行い、積極的に退院前カンファレンス、退院前訪問を行うようになりました。今後も患者さんひとりひとりが地域の中で「その人らしく生活できる」ために「心によりそう看護」を胸に活動していきたいと考えています。
活動内容報告
勤務する病院は地域の中核病院で、近隣のクリニックから多くの紹介患者さんの受け入れをしています。私は、整形外科病棟に所属し、病棟での看護に携わっています。
超高齢者社会の中、当院でも骨粗鬆症による骨折患者が多く、今年度、地域の方々を対象に、骨折予防の大切さを伝えていくための公開講座を企画しています。
また、日々の看護実践や勉強会により運動器看護に興味をもってもらい、多くの看護師が続いてくれるよう、次世代への橋渡しとなるような看護モデルを意識して活動しています。
学会認定運動器看護師としての抱負
看護師になって、整形外科看護に興味をもち、専門的知識を活かして働くことができたらと思い続けていました。しかし、私の時代はまだ認定制度がない時代でした。やがて制度が発足し、晴れて憧れのJSMNCとなり、いざ何かしたいと思ったのですが、思いばかりでなかなか実践に進めませんでした。しかし、日々の看護から公開講座の企画が閃き、できることが身近にあったとう思いで取り組むことができました。
新しい課題をみつけ、さらなる活動を進めていきたいと思います。
活動内容報告
当院は東京の三鷹市に位置し地域医療を担う整形外科クリニックとして開院しています。
来院される患者様は子供から高齢者に至るまで様々です。看護師として診療の補助を中心として働いておりましたがJSMNCの資格を取得してからは、特に高齢者分野における骨粗鬆症患者の療養指導を中心にフレイルの調査を行ったり、BMIやYAM値やロコモ度テストからみえる患者様の特徴をまとめ、個別の指導など積極的に行った内容を日本骨粗鬆症学会で発表を行いました。また、運動器疾患の予防的な視点から、地域で行う健康教室で理学療法士の方たちと体のセルフケアの指導を行っています。地域の医療間のコミュニケーションとして、クリニックでの患者指導の実際について講義を行い、お互いに学びあう場を作っております。日々の診療業務の中で、常に運動器に障害を持つ方々に対して、家族を含めた方々のケアができる運動器看護師でありたいと思います。
学会認定運動器看護師としての抱負
JSMNCの資格は取得して終わりではなく、自身の目的を見失うことなく、日々活動を続けることが大切だと思います。それは、1人1人の患者様の日常生活の延長を描ける創造力や発想力が必要だと考えます。医療と介護と福祉が混在する中で、私たち4期の仲間は多種多様な場所で働いています。整形外科分野から離れてしまった仲間もいます。それでも、それぞれが皆、熱いスピリットを持ちながらお互いに共鳴しあいながら、運動器看護師としてスキルを高めていける関係性でいたいと思っております。
活動内容報告
私は福岡リハビリテーション病院の整形外科病棟で勤務しております。人工膝関節置換術や高位脛骨骨切り術によるDVT発生率の軽減というテーマで看護研究を行い、2016年の日本運動器看護学会学術集会で共同演者として演題発表しました。またリハビリと共同で人工膝関節置換術後の入院期間が遷延した事例を検討し、ハード面以外でどのような事例が長期入院を要したのか、どのような看護が功を奏するのかを研究しました。そこで得られたデータを基に推奨される介入方法を勉強会を通じてリハビリスタッフ、病棟スタッフで共有し、より機能回復を促進させる取り組みを行っています。1人のスタッフが卓越したスキルを身に付けても組織としての水準は向上しません。学会認定運動器看護師がコアメンバーとなって積極的に他スタッフへ働きかけ、より質の高い看護が提供できる組織作りを目標に活動しています。
学会認定運動器看護師としての抱負
超高齢社会が加速する中、運動器の障害・疾患を原因とする要介護状態は3割を占め、運動器疾患に携わる看護師の役割は今後さらに重要になってくると思われます。当院は膝関節センターを有し、特に変性疾患に対する治療を積極的に行っています。膝の疼痛が原因で活動量が減少し社会活動が限定され、やがてQOLの低下に繋がっていきます。当然その過程で廃用を起因とした様々な障害のリスクもあります。「その人がその人らしく生きる」ために、今我々は何ができるのか。単に患部の治療に留まらず「運動器障害にその人らしさを奪わせない」との思いで、運動器疾患のある患者への看護に邁進して参ります。運動器看護に特化した専門集団となるべく、臨床での実践、患者に関わる全職種との連携とシステム構築、そして他スタッフへの勉強会を主体とした指導を柱として、学会認定運動器看護師の活動を行ってまいります。
活動内容報告
JSMNCの役割である実践、連携、指導に基づき活動しています。実践に関しては病棟に入院されている全ての患者さんの把握を行ない適切な運動器看護が行われているか確認するとともにスタッフからの相談に乗っています。連携に関しては周辺の地域で近年、整形外科診療施設の閉鎖や縮小が進み、救急受け入れに支障をきたしてきている現状があることから、近隣の医療施設や介護施設、ケアマネージャーとも連携し積極的に患者さんを受け入れることに取り組み始めました。指導に関しては現在、看護部教育委員としてスタッフの教育に携わっています。また看護部全体で質の高い運動器看護を提供するために、まずは自分自身の教育・管理能力を向上させることが必要と考え認定看護管理者を目指しています。
学会認定運動器看護師としての抱負
JSMNCを目指そうと思ったのは、大好きな運動器看護をもっと専門的に勉強したい!という気持ちからでした。運動器看護は看護師の関わりが重要で、看護行為がダイレクトに結果として見えてくるため、とてもやりがいのあるものだと今後皆さんに伝えていきたいと思います。
活動内容報告
当院では高度急性期病院として、救急患者の受入れ体制の充実、重症患者やハイリスク患者の看護ができる人材育成、退院支援体制の構築と充実、職員一人一人の退院支援力の向上などに継続的に取り組んでいます。患者の治療スケジュールを把握し、治療に伴う安静度や容体の変化を予測し、これらのことをスタッフ間で意識統一していくことは重要であり、ADL上の問題に早期に気づき、対策をとることができれば患者のQOLの向上に大きく役立ちます。情報を共有する際の連携の要となるよう日々心がけています。
学会認定運動器看護師としての抱負
超高齢化社会への対応として、国は地域包括ケアを推進しています。可能な限り高齢者が住み慣れた地域・在宅で介護保険サービスを活用し、高齢者を見守る政策が進んでいます。様々な障害や問題を抱えた高齢者に、医療や介護、非営利団体およびボランティア等が関わることが考えられます。私たち学会認定運動器看護師の活動範囲は、整形外科領域に限らず、運動器の障害を有する患者への看護を必要とするあらゆる領域に広がっています。専門知識に基づいて的確にアセスメントすることや、ケアに関わる看護師や介護職への教育や指導を行っていくことが課題となってきます。異常を早期に発見し、QOLの低下を防止するため必要な職種と連携をとり、適切な支援に繋げていけるよう努力していきたいと考えています。