運動器看護の魅力

 私たち日本運動器看護学会は、運動器の障害に伴う看護について探究し、その質の向上を目指して活動しています。

 運動器とは、骨・筋肉系を代表とし、神経、血管、皮下組織を含め、運動に関わるすべての器官のことです。人は、姿勢を保つ、座る、歩く、走る、触る、移す、組み立てるなどの動作によって、日々の生活を営んでいます。

 「思うように動けない」「思うように動かせない」「動かしたら痛くなる」などというADL制限のある状況は、「思うように動かせないのは苛立つから出かけるのはやめる」「痛くなるからじっとしている」と、暮らすことや生きることの豊かさを減じ、QOLの低下につながり、結果的に生命をも脅かしかねないものとなります。

 一方、そのような苦悩を抱える方と出会い、その人を支える多くの職種、人々とつながることで、少しでも痛みや動作の不自由を改善する治療やリハビリテーションアプローチを試み、適切な補装具や自助具を工夫するなど、「動き」に焦点をあて、その人らしく生きることを一緒に探していくことができます。そして、その看護の経験は、むしろ、私たち自身の暮らしの知恵、辛さを抱えていく豊かさに気づく機会となります。

 「動くこと」の障がいを抱えた人の苦悩を聴くことを大切にしながら、一人ひとりへの支援を考える、運動器看護は、生きることの喜怒哀楽を深く知る魅力に満ちています。