学会認定運動器看護師制度

専門委員よりメッセージ

江口 英範 (理学療法士)  所属:帝京科学大学医療科学部東京理学療法学科

年を追うごとに本学会の会員数が増え、学会認定運動器看護師の数も着実に増加していることは、喜ばしいことと感じております。ただ、学会組織が大きくなるとエビデンスを求めた研究に偏在し、個々の症例が軽視されがちになる傾向があります。我々理学療法もそうですが、個々の症例の検討に立脚した経験数が臨床での力になってきます。また、学会認定看護師の名称のみを希求し、その獲得や維持が目的となることが起こってきます。これは、本来の「運動器の障害に伴う看護の実践の質向上」のための学会認定看護師制度から逸脱することになります。このようなリスクを極力抑制しながら、本学会が益々発展していって欲しいと考えております。

田中 利和 (医師)  所属:柏Handクリニック 院長

日本人の高齢化のスピードは世界に類をみないスピードで進み、65歳以上の人口が2065年には38.4%に達するとされています(内閣府:平成30年版高齢社会白書より)。高齢化に伴い問題となるのが運動器疾患の増加です。医療機関に掛かる患者さんの多くは運動器疾患に罹患し、正しい対処を求めています。日本運動器看護学会は認定制度を設けることにより、より深く専門性のある看護学を探求すると同時に、専門性をもって現場のスタッフたちのリーダーとなる看護師の育成に努めています。実臨床現場では、正解はなく、多くの実践を通した、より良い運動器看護を追及してゆく姿勢が求められています。

和田上 貴昭 (社会福祉士/精神保健福祉士)  所属:日本女子大学家政学部児童学科

近年の科学技術の発達は、専門性の裾野を広げるとともに、深化させる方向に進んでいます。看護学も例外ではありません。医学の進歩に伴い、様々な状態の患者さんが医療機関を訪れます。ジェネラリストは必要ですが、すべての専門性をカバーしようとすれば、深みに欠けることになり、結局、最新の知見を必要な人に提供することはできなくなります。その領域に深い知識や技術、価値などの専門性を持つ専門職が必要となります。
日本運動器看護学会の認定資格制度が担う役割はまさにこうしたスペシャリストの養成です。社会的に大いに意義のある資格制度だと考えます。

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