学会の概要

理事長挨拶

 人には、時に、「動きたいけど動かせない」「動かすと痛い」「うまく動かせない」「どう動かしていいかわからない」などの動かすことの困難や、「動きたくないのに、動かなければならない」「勝手に動いてしまう」「じっとしているとつらくて動かないではいられない」などの動かないでいることの困難が生じます。こうした【動く】ことに関する困難は、「食べること」「寝ること」「排泄すること」「歩くこと」「座ること」「走ること」「でかけること」「買い物にいくこと」「書くこと」「作ること」などの【活動する】こと(ADL/IADL)に影響し、「友に会うこと」「旅すること」「スポーツを楽しむこと」「学校に行くこと」「仕事をすること」などの【生きる】ことの喜怒哀楽(QOL)に直結していきます。
 日本運動器看護学会は、このような運動器の障害に伴う看護に焦点を当て、実践の質向上を目指し、当学会独自の「学会認定運動器看護師(JSMNC)」123名(2017年6月現在)を含む約500名の会員で活動しています。
 本学会は、前身の日本整形外科看護研究会の第11回学術集会終了後(2011年6月)に改組・改称し、今期(2017年6月~2020年6月)は、第3期となります。これまでの2期は、運動器看護の中核である整形外科看護を軸として、「運動器看護とは何か」「運動器看護実践とはどのような実践か」を問う時期でした。そして、今、当学会会員は、整形外科病棟・外来・専門クリニックでの活動は無論のこと、あらゆる外科系・内科系の外来や病棟、手術室、集中治療室、医療安全対策等の管理部門、長期療養施設、福祉施設など多種多様な場で、子どもから高齢者に至るあらゆる年代の方々とその家族への運動器看護を実践し、質の維持・向上に取り組んでいます。また、教育・研究職にある会員は、基礎看護、小児看護、成人看護、老年看護、地域看護、看護教育、看護管理など多領域の教育・研究を担っています。さらに、これらの会員の活動から、運動器看護実践には、整形外科医師をはじめ、多彩な診療科の医師、理学療法士や作業療法士、薬剤師、栄養士などの医療関係職種、介護福祉士、MSWなどの福祉関係職種、部署や施設を超えた看護職等との状況に応じた連携が必要であることがはっきりしてきました。したがって、この第3期は、会員が取り組んでいる運動器看護実践・教育・研究を、しっかり記述し、広く公表し、根拠を見出していく、より学術的な取り組みに協働していく時期だと考えています。
 “人の動くことの困難を支える”という視点から、人生のあらゆる時期にある人々への、多種多様な場における運動器看護の充実を目指し、生きることの苦悩に寄り添いながらケアを続けることができるように、学会員一同とともに、着実な成果を出していけるように努めていきたいと思います。

2017年6月吉日
日本運動器看護学会
理事長 吉田澄恵

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